Les miZenables

ブログをメモ帳と勘違いしている

"Hasta la vista"について

"Hasta la vista"はスペイン語の挨拶で「また会う日まで」というような意味。

"Hasta la vista, baby"とすると、『ターミネーター 2』の名セリフの1つになる。「地獄で会おうぜ、ベイビー」などと訳され、心に残るフレーズのひとつである。ちなみに英語版Wikipediaにも専用の項目があり[^1]、そこにはどういうシーンで使われたのかも書いて、セリフだけ覚えていて内容を忘れたというような僕にも優しい集合知である。

「地獄で」とされたところにはそれなりに「なるほどね」と思う点があり……という記事にしようと思ったが、某大百科にはちゃんと「皮肉めいた」と書かれていたので、もう集合知に譲ることにする。

とはいえ面白いのは、スペイン語のセリフ、"Hasta la vista"が、当のスペイン語版では"Sayonara, baby"になっている点。

それから、Terminater 2のサブタイトルの各国活用が面白い。
Judgement Day(英語, "審判の日")がLe Jugement dernier(フランス語, "最後の審判")になったり。 あるいは、ジャンルが science fiction thriller film (英語, "SFスリラー映画")がle film de science-fiction(フランス語, "SF映画")になったり。例によってWikipediaを見てこうだと判断することもできないんだけど、言語でジャンル名が変わっているのを見るだけでちょっと楽しい(目の錯覚だとしても)。

さて、なぜ"Sayonara, baby"なのかは、スペイン語の記事を読むのが一番だ。
これでも、大学の最初二年間はスペイン語を選択していたので、まるっきり読めない言語でもない。加えて何よりロマンス諸語である。フランス語に集中していたせいもあるので、なんとなくでもいける。

そんな中、見つけたのがこの本。

まずLexicografiaって語の音が良い。
辞書編纂、辞書か……なるほどそういう路線か……とわくわくする。今までそれほど注目して来なかった方面だ。

実は言語史というのにそれほど興味がない。
言語自体には興味があるし、チョムスキーよりはサピア=ウォーフの方が好みなのだが、自分のそれまでやってきた言語について、「○○諸語を修めよう」などと統一的目標を持っていたわけではなかった。単に出会ったひと、行った場所の言語を覚えようとしていただけで、強いて言えば「ユーラシアの端から端まで話し歩けるようにする」くらいの気持ちでいただけだ。そして、この「ユーラシア」は実在こそするが、言うほど現実的な対象ではない。
でも○○諸語、という概念を取り入れてもいいかもなと思えた。

チェコ語とかポーランド語はまた別の語圏になるだろうし、しかしこちらにも用事がある(読みたい本がある)。カフカがドイツ語で書いたひとというのは知っているが、それでもチェコ語カフカが読みたいし、ポーランド語ではレムが読みたい。どちらもすでに買ってしまっている(これは積みであり罪だ)。さすがにまだ満足に読めないが、しかし勝機はある。アルファベットで書かれているからには……。

これをさらに拡大して、「インド・ヨーロッパ語族ならいける」まで嘯けるまでになれれば面白かろうが、そこまではちょっと寿命が足りないだろうか。不老不死が欲しい。