orikuramizenのブログ

フランス語、ドイツ語、映画や本についてなど。いろんなことを横断的にやっていこうと思っています。

地理の教科書面白い。

地理の教科書を読んでいる。『新詳地理B』

とある事情から地理の教科書を読んでいる。 帝国書院、平成22年度版。

地理を学んだことがないか、あるいは授業は受けたけど忘れてしまっているので、以下のような分類が驚きだった。工業の立地による分類。

工業の分類 特徴 工業の例 工業地域・都市
原料指向型工業 現在重量 > 製品重量であり、輸送費用を小さくするために原料産地に立地 セメント、窯業、製紙・パルプ、鉄鋼、果実加工 秩父、苫小牧、伊万里、ミッドランド、ルール
市場指向型工業 製品重量 > 原料重量(水を除く)
情報・流行に敏感
ビール、清涼飲料水、出版・印刷、高級服飾品 首都圏、京阪神
東京、ニューヨーク、パリ
労働力指向型工業 安価で豊富な労働力を求める。
高度な技術をもつ労働力を要する。
衣服、電機部品
伝統工芸品、知識集約型工業
発展途上国の輸出加工区
京都、シリコンヴァレー
集積指向型工業 集積により各種の生産費が節約される。 自動車、電機機器 豊田、デトロイト
交通指向型工業 交通の利便性を求め、原料の輸入港や高速道路のインターチェンジ、空港などの近くに立地。 石油精製、石油化学、鉄鋼、集積回路 太平洋ベルト、九州(シリコンアイランド)

しかしこれhtmlでtable使うのめんどくさくないですか…。

工業についての箇所から、好みの話へ

工業の立地は時代とともに変化する。たとえば、空港が開港されると、集積回路など付加価値が高くて製品が小さく軽い工業や、研究者・技術者の往来が多い先端技術産業が、立地しやすくなる。([1], p.95, 「工業立地の変化」)

この箇所がちよっと面白かった。卒論のテーマは「都市的なもの」だったんだけど、そもそもどこに都市が生じるのかって視点が欠けていたのだ。主観に大きく依拠する視点からなら、それでも良いのかもしれない。「気が付いた時にはすでに都市はあり、それはこのように動いている(ように見える)」と書くことは、科学的なものではないかもしれないけれど、一定の説得力を持つだろう。

とはいえ、非実在の都市を構成しようとすると、これでは足りない。「海が欲しい」「坂道がいっぱいある」という風に作ってきたが、それらは、要素の寄せ集めに過ぎないように思われたからだ。

主観的な視点から描いていくこと――実際、登場人物の感情を機能させるには、それが託される対象が必要だ。コーヒーや煙草といった小道具で、それらを代理表現することはできる。それは十分魅力的なものではあるのだが、もう一歩、「都市とそこに滞在するものとの交流のようなものを描きたい」という狙いがある。これこそは、在学時代からずっと企図してきたものだ。

そのために、今まで、架空の歴史とかをでっちあげてきたとも言える。僕が求めていたのは、まず大地であって、地層だ。それは時に揺れ動いて、思わぬ物事が日の目を浴びたりするんだけど、タイムカプセルを楽しむためにはまず埋めなければならない、というような感じ。

これを個人史のスケールでやる、というのはもちろん欲しい。けれども、人の生は個体の中だけで完結するものじゃなくて、もっと空間的な接続があってしかるべきだと思う(好みの話)。この感覚は、たとえば叙述トリックとか文体それ自体にテーマが反映されているSFを読む時の興奮、麻薬文学とか、『物質的恍惚』に心動かされるのと似ているかもしれない。

物質的恍惚 (岩波文庫)

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