映画『その女諜報員 アレックス』を見た話
見た日 07月08日
『その女諜報員 アレックス』(原題: Momentum)は2015年に製作されたアメリカのアクション、クライム映画。007シリーズ『慰めの応酬』でボンドガールを演じたオルガ・キュリレンコ主演。似たタイトルに『その女アレックス』という小説があるが、全く関係はない模様。
- 発売日: 2016/10/04
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あらすじ
元CIAエージェントのアレックス(演: オルガ・キュリレンコ)は、元彼の誘いで銀行強盗に参加する。ダイヤモンドを盗み出すことには成功するが、この際手に入れたUSBメモリを狙う襲撃者によって元彼が殺され、彼女もまた命を狙われることになる。手段を選ばない襲撃者達に復讐すべく、彼女は孤独な戦いを開始する。
この映画の面白いところ
キレのあるアクション
ガンアクションやカーチェイスという基本を抑えつつ、周りにあるもの・環境をうまく使っている。登場するエージェント達は皆プロフェッショナルなので、基本的に容赦がない。スピード感
物語がほとんど寄り道することなく、スピーディーに進行する。USBメモリに隠された秘密、襲撃者たちをさし向ける黒幕の存在など、物語の構成に欠かせないものはあるが、それよりも主人公がいかにして危機を乗り切るか、目標を達成するかの方に焦点が拠っている。
監督のカンパネッリは、クリント・イーストウッドの右腕と称されることもあって、演出や映像センスは素晴らしい。映像がとにかく魅力的なので最初から最後までダレず見ることができた。アレックスのセクシーさ
やると決めたらやる覚悟が凄まじい。これは正直、手段を問わず決めたことを成し遂げる人間はひとを魅了する。こういうのが可能な点にこそ、フィクションの魅力があるわけでもある。
アレックスは、ピンチに陥りこそするが、基本的に凹まない。やると決めたらやる。ひとりでもやる。
注意
リアル系スパイものにはつきものの尋問・拷問シーンが、この作品にもちゃんとある。悲鳴もリアル路線で、かなりクるものがあるので、そういうのが苦手なひとは覚悟してほしい。
拷問というのは、ただ単に痛めつければ良いというものではない。「どういう仕組みで、どういう事態が起こるのか」を対象に理解させることが肝要であり、想像力によってその効果は倍増することになる。
これはホラーの作り方にも共通する手法だが、この作品ではこの手法がよく守られている。
実際はどうか知らないが、この想像力を働かせるという手順は、作中の対象だけでなく視聴者までも拷問にかけることに成功している。1
まとめ
テクニカルタイプのアクション映画。銃火器の威力は基本的に必殺な点も信頼できる。また映像の美しさも合間って、十分見応えのある作品である。
オススメ作品
この作品を観て思い出したのは、機乃遥作品のルビー・チューズデイシリーズ。
タフな女主人公が活躍する点、映像的な文章が魅力の連続小説だ。血沸き肉踊るアクションと特殊ガジェットの数々……スパイものの定番を踏まえつつ、現代的な諸問題を反映させている点は社会派小説のようでもある。
ワクワクさせてくれること請け合い。ぜひ一読することをオススメする。
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つらかった↩