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008本目: 『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)

今回は、マーベル・キネマティック・ユニヴァース17作品目、『マイティ・ソー/バトルロイヤル』を振り返ります。織倉未然はマーベル作品の中でも、とにかくソー(とロキ)、ドクター・ストレンジが推しです。この作品を見たのはこれで2, 3回目。

あらすじ

ソコヴィアでのウルトロンとの戦いの後、雷神ソーはインフィニティ・ストーンを探して宇宙を旅していた。この旅の中で、彼は故郷アスガルドの滅亡が近いとの予知夢を得る。この世界の終末(ラグナロク)を阻止すべく、ソーは炎の魔人スルトにあえて捕まっている。ラグナロクがすでにはじまっていること、アスガルドに父オーディンが不在であることを聞かされる。

Led Zeppelinの”Immigrant Song”を背景に、余裕でスルトを撃退するソー。アスガルドに帰還したソーが目にしたのは、前作『マイティ・ソー アンダーワールド』の感動的なラストシーンの演劇。死んだはずの弟ロキが生きていることを知る。

行方不明の父を探して地球に赴くソーとロキの兄弟。しかし父がいたはずの老人ホームは解体工事中。途方に暮れる彼らを拉致り、ふわふわとドクター・ストレンジが現れる。世界の脅威を調べているというドクター・ストレンジから、父がノルウェーにいることを知る。

ノルウェーでは、父から衝撃の事実が明かされる。自分たちに強大な力をもった姉、死の女神がいること。彼女に兄弟で力を合わせて挑むようオーディンは言い残し、生を終える。悲しみにくれる兄弟。

死の女神ヘラが現れ、その圧倒的な力の前に二人は苦戦する。故郷へのワープトンネル(虹の橋, ビフロスト)からはじき出された二人は、辺境の惑星サカールへ。そこでソーは奴隷としてバトルロイヤル(the contest of champions)に参加を強制させられる。

姉と世界の終わりから故郷を守るべく、彼はどうにかして惑星を脱出しようと決意する。そのためにはまずバトルロイヤルで勝ち抜かなければならないが、チャンピオンとして現れたのは、かつての友ハルクだった。

作品情報

マーベル・コミックの作品が一つの世界を共有するシステム、MCU作品の17作目。『マイティ・ソー/ダークワールド』の続編。北欧神話ベースのヒーロー作品、マイティ・ソーシリーズを『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ならびに『アベンジャーズ/エンドゲーム』に繋げる意味でも重要な作品。

魅力

全体的にコミカルな感じ。アスガルド人の強靭な肉体とパワーから生み出されるアクションは、やっぱり神の領域でとにかく派手。今までロキに騙され続けてきた兄ソーも、様々な経験を経てロキの考えを読めるようになっている。この普段いがみあってる兄弟が、肝心なところで共闘する感じほんとたまらない。永遠に(広義の意味で)仲良くしていて欲しい。

初回ハルクと戦う時も、登場前は「さてどうなるかな? ゆうてうちの兄は大丈夫でしょ」みたいなワクワク顔だったロキも、いざハルクが登場した際の抜け殻みたいな顔になるのほんと好き。ロキはね、よくも悪くも自分に正直だし、そういう意味でソーと兄弟なんですよ。(あと一々すぐカッとなってナイフないちゃうロキも実にソーと似てる。)

辺境の惑星サカールでもハルクは圧倒的パワーで人気ものなわけで、とにかくパワーとタフネスが半端ない上に、インクレディブルだから、観客の盛り上がりが手に取るようにわかるし、すごく楽しい。

今作、マィティ・ソーの雷神度もマシマシなので、とにかく稲妻系ヒーローが好きな人には楽しめると思う。今までは雷雨を呼べる、ハンマー(ムジョルニア)経由でビーム的に雷を放てる、くらいの印象だった彼が、今作ではもう雷そのもの。はーかっこいい。

実はこの作品、ハルクを読み解く上でも重要な作品。ハルク=バナー好きなひとには是非見ていただきたい。ハルクは、今のところ『インクレディブル・ハルク』一作しか公開されていない(しかも俳優が変わっている)。彼だけのシリーズがないこともあって、こう、専念できる機会がなかなかないんだけど(いや『インクレディブル…』でも十分あーってなるけど)、その強大なパワーと抑えきれない怒り、あと必ずといっていいほど周りを破壊し

まくることから、地球の人々に嫌われている、となかなか切ない部分もある(でもトニー以外の仲間にも信頼されてるし、子供たちにもかなり人気あるんだよな……)。望まず力を得たヒーローの悲しさみたいのが強く現れている人物なんだけど、それが今作ではバナーの決意もあって、ハルクのストーリーがまた一歩前に進む。でこのハルク=バナーのストーリーが、続く『インフィニティウォー』と『エンドゲーム』で展開していくのは、ほんと熱い。