Les miZenables

ブログをメモ帳と勘違いしている

織倉日記 x+1

きょおわ、おしごとにいって、帰ってきました。

 

トナ村というのは樺太の方にあるトナカイを飼育していた村の略称みたいなもので、これは樺太が日本から離れた後には忘れ去られている場所なんですね。ただそこには日本の伝承とロシアの民話が混じった独特のフォークロア圏があり、ちょっと興味があってこれをでっち上げているところです。

 

まあそもそもトナカイを飼育していたのは、運送にも良し、栄養としても良しとのことで、かなり地元の人々には重宝されていたんですね。あまりに生活に食い込んでいたので、あるのが普通になってはいたんですが、そうすると必然的にある疑問が芽生えてくるわけです。「最初のつがいはどこから来たんだ?」と。

 

その答えとして残されているのが、民謡とか伝承とか。それによると最初のつがいにソリを牽かせてやってきた人がいたのだとか。プロメテウス的な、こういう文化を伝える者、というのはどこにでもいます。

 

かくして、その村ではトナカイの飼育が盛んになったわけですが、地理的なものかはたまたプロメテウス的なものに愛されているのか、周辺の村々にとっても、ここのトナカイは重宝されます。評価が上がる。村は豊かになり、名前がつく。それでトナ村、とこう呼ばれるようになりました。

 

少し話を戻して、トナカイを連れてきた人について。伝承を信じるなら、これは現在のフィンランドあたりから来たことが分かっています。そうするとサンタクロースなどが思い浮かびますね。

 

サンタクロースにも面白い話があって、「袋を持った爺さん、婆さん」というモチーフは割と世界の各地に見られたりします。プレゼントを与えたり、逆に子どもから大人までを攫ったり、形は様々ですが。

 

トナ村伝承に面白いのは、このトナカイに乗ってきた人、プレゼントをほとんど持っていなかったってところです。全部配り終えたのか、着服したのかは分かっていません。ただ村の娘と恋に落ちたというバリエーションは散見されます。これは方法で、恋のあまりそこにとどまり、トナカイも手放すことなく済みました。ハピエン、ハピエンというわけですね。

 

そういうお話を小さい頃から聞いてきた、トナ村ミリカ先輩の話は、カクヨムで読めます。続けば良いのにね。