025本目:『シン・ゴジラ』(途中)
それは一体なんなんだ、というところからはじまり、今あるものをかき集めて対処する。
- 発売日: 2017/03/22
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おそらく三度目の視聴。劇場で一度、その後はこうしてレンタルで。動機は覚えていない。多分、Twitterのタイムラインで盛り上がっていたからだと思う。
自分のタイムラインは信頼できる。「面白いぞ」ということはわかるんだけど、ネタバレはほとんどないし、あるとしてふせったーを使うひとが多い。とはいえ、それはすでに出回っているツイートなので、当然といえば当然でもある。
『MAD MAX 怒りのデスロード』のあたりから、こういうツイートがよく回ってくる。天文学的な評点――それはとても良いことだと思うし、まあ見ればその通りめちゃくちゃ面白いので、とても助かる。一方で、自分の意見は別にあるので、こうして書いておく必要もあるというわけだ。
『シン・ゴジラ』は東宝製作のゴジラシリーズの第28作品目。前作の『ゴジラ FFINAL WARS』からは、12年も経っているとのこと。今の僕は14歳なので、僕が14歳くらいの時期にやっていたことになる。キャッチコピーは「現実対虚構」。現実には「ニッポン」、虚構には「ゴジラ」とルビが振ってある。
この映画もいろんな視点から語ることができるし、実際にそうされてきている。たとえば「彼の国」アメリカと日本の関係性だとか、日本政府の反応についてとか。でもそういのは今回は省く。ここからは個人的な話。
魅力的に感じたのは、
- ゴジラの神秘的な感じ
- 今あるものでどうにかする
- 「防衛出動」のロマン
リスト化すると上のようになる。
ゴジラの神秘的な感じ
パッケージにもなっているゴジラ第四形態は、神々しさすら感じられるデザイン。動くとなおのことそう。手の平が上を向いている、というのは今までになかったと思うんだけど、これと暗闇の中でぼんやり光る姿と合わせて、印象的な姿になる。
大都市東京の滅亡とそこに立つゴジラ。炎に包まれる世界と、振り回される放射熱線。もう人智を超えている。この世の終わりかよって思う。しかし当のゴジラ、はじてめ放射熱線を吐くときとかもそうなんだけど、背中を丸めて、絞り出すようにする。このときの姿に悲しさのようなものを感じてたまらなかった。
反省してみると、「悲しさ」というのは人間の言葉に過ぎないから、自分の語彙不足を痛感する。宗教的なタームがあれば、うまく描出できるのかもしれない。
この作品のゴジラは、まさしく災害だ。しかし単なる自然災害を超越している。台風とか地震といった自然現象は、科学の進歩によって一応は説明のできるものとなっている。でもゴジラにはそれができない。人間の知識で説明のつくものなのか? という畏怖がはたらく。解明する前に人類は滅亡してしまうんじゃないだろうか、という風に時間との戦いもはじまる。
畏怖は最高の感情だよ。
そして、このゴジラの偉大さと比べて、人間の小ささが強調されることになる。文明の枠組みから外れたものに対して、けれども立ち向かう人々の勇気が輝くことになる。いやほんと、あんなことになったら、職務の全てを放棄して逃げ回ってもよかったと思うんですよ。でもそうしない。団結して立ち向かう。それってもうほんと……胸が熱くなりますね。
個人的には、ゴジラのこの描写の仕方が親切だなって感じる部分もある。人間ひとりひとりの功罪をまるっと飛び越えたところにこのゴジラはいるから、説教的なニュアンスが少ないか、あるいは無視できる。罪とか罰って意識と、その判定者たる神の存在は、人間の世界認識の方法なんだけど、このゴジラはそういう枠組みをも超越してしまっている。考える暇があったら逃げた方がいいし、逃げても多分どうしようもない。国全体が経済的にもやばいことになっているので、生き延びたとしても、その後生きていくので精一杯だろう。贖罪の機会とか多分ない。
だからこそ、ゴジラと対策チーム巨災対の取り組みに集中できる。この映画にはそういうフレンドリーさがある。
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