Les miZenables

ブログをメモ帳と勘違いしている

ライトノベルを読んでいる。

青春ブタ野郎』シリーズをアニメで見て、原作も読んでみるかあ……と思ったのがきっかけ。もともと、電撃文庫からデビューしたいなって漠然と思っていたため、十代後半から二十代前半の頃なんかは電撃文庫の小説をメインに読んでいた。ハルヒが出てから、角川スニーカーにも手を出したけれど、ハマったのはハルヒだけだった気がする。バカテスとかも読んでいたし、今となっては『黄色い花の紅』も読んでいたのは先見の明があると頷いたりしている。その後、ライトノベルと括っていいのかは知らないけど、戯言シリーズ物語シリーズにハマった。ここまでくると、「何をしてライトノベルというのか」と定義を明確にしたい気持ちも出てくる。結論、ぼくはこのジャンル論から逃げた。「何をしてライトノベルというのか?」という定義を前提として話を進めることがあまりないし、他者と共有するシーンもない。これは、一人暮らしの切ないところ……というのではなくて、明確な定義として打ち出すことに意義を感じていない、ということだ。定義があやあやでも全然困らないし。たとえば、「ライトノベルしか読めない」という事態を想定するのであれば、「これはライトノベルだから読めるな」と判断もできるだろうが、実際には、ハードなノベルも読めるんだから……。あと、「ライトノベルの定義」の戦線に赴く予定もないので、考えなくてもよくね? となる。

じゃあ、「ライトノベルを読んでいる」とはなんだ、という話だ。
これは、定義が境界を示すことであるとするなら、これは苦手だが、一方で、「ライトノベルっぽい」と感じる部分がないわけではない。これは集合的な、公約数的な話だ。経験によって重なってきた部分、ある抽象的な概念の核を成している部分である。この点からすると、「ライトノベルを読んでいる」という認識は正しいし、他のなにとも障ることがないので精神衛生的にもよろしい。ぼくはライトノベルを読んでいる。文章が短くかつ直感的に書かれているので、微に入り細を穿つ検討がそれほど求められない。個性あるキャラクターが登場していると認知がしやすいので、これも助かる。完全に未知な情報が出現することはなく、ただストーリーや感情の変遷に没頭することができる。既存の情報だとしても、味付けがうまい。これらは素晴らしい特質だと思う。

最近読んだ本

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない - ライトノベル(ラノベ) 鴨志田一/溝口ケージ(電撃文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -

青春ブタ野郎シリーズの第6作目。アニメのあとの話。大人翔子さんと中学生翔子さんが出てくる。ぼくはこういうお姉さんタイプ好きですからね。好きなお姉さんが登場する。いわくありげなお姉さんの謎が解明され、主人公の咲太君もこれまでの出会いを総括することになる。しかし、思い返してみるとちゃんと惜しくなってきちゃうものだよな。おれも今の人生には色々と不服もあるが、やり直せるとしていつからやり直すか? って言われると、かなり困る。予備校時代はもう少し真面目に勉強したかもしれないし、大学の授業も真面目に受けたかもしれないが、大学は同じところに通っていたと思う。つまり当時はクソだと思っていても、あとから見れば必然的に思えることってのがあるんですよね。「必然的」として処理せざるを得なかったんですが。ええ、生存バイアスです。しかしまあ、翔子お姉さんの謎が解けるってことは、パンドラの箱が開くってことでもあったわけだ。化け物じゃん。あと桜島麻衣さんが可愛い。

僕らはどこにも開かない

僕らはどこにも開かない - ライトノベル(ラノベ) 御影瑛路(電撃文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -

独特の世界観と独自ロジックの使い手が集う。主人公は、自分だけの世界観と独自ロジックを持っていないがために、相手の世界観と価値観に合わせることができる。興味深い作品だったな。登場人物がそれぞれ自分の思惑で動いていて、それを複数の視点から相互に参照してた。協働するのもいいけど、今作みたいに協働しないのも見てると面白いもんだなあ、と思った。ぼくは普段、深く考えずに「独自ロジックの使い的じゃん、好き」となりがちなんだけど、「独自ロジックが形成されるってことは……環境が……」と踏み込むのでハラハラしちゃった。ちゃんと青春もする。青春に着地させるの技巧だったな...。

魔法少女ダービー

魔法少女ダービー - ライトノベル(ラノベ) 土橋真二郎/加川壱互(電撃文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -

娘を名乗る魔法少女が現れる。誰の娘? おれの? おれと……誰? という話。競馬ネタも豊富。これ血統について調べる以前に読んでたら全然分かんなかったんだろうな……。しかしどうなんでしょうね、娘を名乗る女の子が出てくるのは良いが、その子のために責任取れるかっていうと……とてもぼくには……。いやヒロインのために命張れないのってどうかと思いますけど……。色々考えちゃったな。

読書の記録をつけたいなと思っているんだけど、何をどのように書くのかをまた全部忘れているので、まるっきり手探り。

後記

もっとも、「そこに書かれている以上のことを読み込む」とか、キャラクターやシチュエーションに耽溺するって読解の仕方ができないわけないと思うし、やることに抵抗があるとかはあまりない。好きにしたら良いと思う。そういったことは昔にはできていたはずだが、最近は全然できていないなーとか考えたりもする。考えるだけで、拘泥はしていない。ただ、展開している情報を受け流しているだけだ――とすると、こういう読み方が果たして適切か、と思うときもある。悪くないのは間違いないんだけど、成長はないかもしれないなと考えると時間のコスパを考えたりもしちゃうな。