今週の織倉未然(2019年第31週)
今週の織倉未然。
読書について
月が変わったので、カードの支払額もリフレッシュされた。本を買って、読む。今週は『物質と記憶』(アンリ・ベルクソン)、『ベルクソニズム〈新訳〉』(ジル・ドゥルーズ)。記憶喪失もの主人公を書くためには、自分の中に記憶の理論を作っておくたいんだけど、「記憶喪失 = ルートの喪失(記憶そのものが失われるのではなく、そこにアクセスできなくなる)」->「都市の中で迷うことに似ている」というところまでは組み上がっている。とはいえ、記憶の話をするんだったら、ベルクソンはやはり外したくないので、そこに向き合う時期が来た。待望の日々。仕事辞めたくなるな。
- 作者: アンリベルクソン,Henri Bergson,合田正人,松本力
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 文庫
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- 作者: ジルドゥルーズ,檜垣立哉,小林卓也
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2017/07/20
- メディア: 単行本
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実はこのベルクソン、ここ数年熱いらしい。もともとベルクソンという人は、ちょっと早すぎた哲学者なところがあって(逆にこのひとがいなかったら、ドゥルーズもかなり変わってきただろうから、その時代に必須だった人でもある)、特に『物質と記憶』の第1章あたりなんかは、もうこれまんま人工知能の話してない? って感じなんですけど、こう考えるのは僕だけではなく、世界的な大イベントも開催されていたりする。
ベルクソン『物質と記憶』を再起動する――拡張ベルクソン主義の諸展望
- 作者: 村上靖彦,三宅陽一郎,バリー・デイントン,フレデリック・ヴォルムスほか,平井靖史,藤田尚志,安孫子信
- 出版社/メーカー: 書肆心水
- 発売日: 2018/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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その第三弾がこの本なんだけど、かなり面白い。色んな分野から『物質と記憶』を捉えていく。こういうの読むと、哲学が今もなお生き続けているのを感じるし、「なんの役に立つの?」に対して「AIを作るのに」と回答できるのってすっごく憧れる。SFしていい時代が来ている。
「哲学なんかして、なんの役に立つの?」と言うのは、よくよく本棚と向き合ってみても、あまり有効な問いではなくて、実際いろんな面で使われていたりする。精神医学は言うに及ばず、フッサールからの現象学は看護で、とか。
音楽について
今週の音楽は……なんだったんだろうな。『バニラ・スカイ』の影響から、トッド・ラングレン。
- I Saw the Light (Todd Rundgren)
これはトッド・ラングレンが空き巣に入られた時に、その犯人が歌っていたらしいですね。(Wikipedia)
- Starside (Spacehog)
やっぱりこういう曲は好き。1995年のアルバム『Resident Alien』から。
- O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! (M@STER VERSION)
最近虜になっているアイドル、久川凪&久川颯姉妹の曲。双子。だいたいなんでもできるアイドル志望の妹と、颯のオーディションに付き添いできたところ、スカウトされてしまった姉の凪。正統派な美少女と独特な雰囲気の女の子。好きってことしかわからない……掘り下げが足りない……。この双子がメインのイベントが開催されていたんだけど、真面目にやっておけばよかったな。
- その他
この他にも色々聞いている。後ろの方はAmazon prime ミュージックでバロック音楽。Spotifyも視野に入れた方がいいのかもしれない。でもそういう「なんでも見れる」「なんでも聞ける」ってのは、結局一枚一枚を蔑ろにしかねないって自己診断から距離を置いてるんだよな……。TUTAYAで4枚借りても持て余し気味だし。
アニメについて
今週は結構アニメを見た。前から見たかったやつを摂取したわけだけど、消化までは時間がかかりそう。
- さらざんまい
幾原監督作品。『輪るピングドラム』からのファン。お気に入りは『ユリ熊嵐』。映像とストーリーの構成が好き。今作も楽しかった。少年たちの話。
さらざんまい本PV - フリクリ オルタナ
- フリクリ プログレ
劇場版「フリクリ オルタナ」& 劇場版「フリクリ プログレ」本PV
あとは、自前のFLCLの2、5、6も見た。やっぱこれはもうなんだろうな、すごく染みる。
ウエダハジメ版のコミカライズもよかったし、あとは『惑星のさみだれ』もよかった……というように、なんか芋づる式によかったものをどんどん思い出していく。
見ていると、自分の好みではないところや、良いところのまだわからない部分が見つかったりする。でもじゃあそもそも何を求めていたの、って考えていくと、相対的に自分の書くべき小説が見えてきたりして楽しい。これはアニメに限らず、映画を見るときや小説を読むときにも通ずることなんだけど。自分の好きをとにかく煎じていかなければならないのだ。
その他について
今週は「イナリィズ」と「トナ村リミカ」を書いていた。構一応。そこに集中するには頭の中にシーンのストックが少ないのと、考える時間が確保できなかったので進捗は危うい。仕事中は仕事に集中しているから考える余裕ないし、家に帰ったら帰ったで暑くて何もできない。涼しくなる方法を開発しなければならない。パソコンが持ち運べればいいんだけど、キーボードが壊れているからなぁ。
勉強したいこと。通信技術、やっぱりPython、web制作などの何かを表現する方法。あとは歴史。火薬の歴史と花火の歴史、それからパズル、木工品、秘密箱。特に木工品ってのは以外と調べ方が難しくて、日本のものだと伝統工芸品とかの路線で調べていけるんだけど、これを外国でやるとちょっとまだ道が見えていない。火薬はイタリアまで行けた。
色々テーマはあるが、圧倒的に資料が少ない。ちゃんと図書館に行かなきゃダメ。仕事終わりに二、三時間寄れるだけでも違うと思うんだけど、いかせん、図書館というのは日中しか開いていないのだな。
アニメ作品に見る髪の色について。異世界ものだと考えやすいんだけど、髪の色が赤だったりピンクだったりするときに、それを当然だと思わせる仕組みを求めてしまいがち。そこにツッコミがないなら、それが自然と受け容れられるよう常識を改変しておく必要がある(個人的好み上の必要)。であと、ピンク色の髪を出すなら、それを自然と結びつけて、詩でも作らなければならない(個人的好み上の義務)。ピンク色の空、と言えばおそらく朝焼けだろうし、そうでなくても「西からマナの濃い風が吹くと、東の山に打つかってピンク色の雲ができるの」とか世界を作り変えればいい。作り変えてくれると、僕の琴線に触れる。マーマレードスカイの感性を機能させることができるのがファンタジーで、フィクションです。
などなど