0518(2)
ブログは書きたい。文章が書きたい。しかしなかなか思うようにいかない。
多分、いろいろ考えてしまうからだと思う。
たとえば、最近とても面白い作品を観た。
それについて語りたい気持ちは強く、できれば他の人にもこの感動を知って欲しい。
けれども、どこから話を始めるべきだろうか。
読者フレンドリーに書くならば、その作品の概略から説明するべきだと思う。
その上で、「特にどの点に心を動かされたか」を書きたい。
幼少時に正当防衛のため強盗を射殺してしまった少女が、そのトラウマを克服すべく、VRMMOFPS1で最強を目指す話。そんな中2、ゲーム内でキルされたプレイヤーが現実世界で実際に死亡するという事件が起こる。この陰謀を巡って、前作の(全作の)主人公と共闘することになって……
ヘタクソか。
まずこの「概略を説明する」という段階が面倒で仕方がないのだ。
実のところ、最初から面倒くさいというわけではない。
現に上に書いた。ポイントはできるだけ頭を空にすること。
ただ、問題はここから。
- 問題点! 上の概略は間違っている
- 時系列が間違っている
- 「そんな中」とは何事か
- 登場人物が必要最低限を満たしていない
- (キリトくんを加えた方が良い: 事件の捜査のためGGOというゲームに投じることになる、とすると「お、ミステリか?」となる。そしてこれが今作のポイントのひとつだ)
- "VRMMOFPS"という単語は調べてきたが、"ゲーム内でキル"という単語は正しいだろうか?
- 「共闘」か?
- などなど
- 時系列が間違っている
- 以上の点を修正する必要がある
修正がめんどくさい。校正もめんどくさい。どうしてこんなことをしなければならないんだろう。
それはね、最初からうまくできないからだよ。
もちろん、いきなりうまくできるものでもないとは思う。初稿からうまく書くためには日常的な鍛錬が必要になってくるだろうし、今はこの苦しみをぐっとこらえて、根気よくやっていくしかないのだ……。
さて、ここで登場するのが「面倒くさい」です。
できて、問題点を洗い出すところまでだ。
ここから先はもう苦行以外の何ものでもない。
上の課題をひとつずつ解決していけば、ちゃんとしたものが完成する。
そうしたら、あとは自分の好きなように書けば良い。
Vive l'imagination! というわけだ。
しかし……その†修正†というやつは……
「創造的じゃないじゃん」
「でもそんなこと言ったら、僕がこれから書こうとしていることだって、創造的ではないのでは」
「時間の無駄?」
「そもそも誰が読むの?(誰も読まないだろ)」
・・・
無限の言い訳が生じるわけです。
すごいよ、純度の高い言い訳だ。
自分がやりたいと思ったことをやらない言い訳を無限に作り出しているわけだ。
こういうシチュエーションを「自分の欲動に不誠実」などと僕は表現したいと思います。
誰が否定するわけでもなく、むしろ公開もしない以上人目に触れず、さらには他者の評価が下されるその遥か前方にありながら、「いや意味ないし止めよう……」と断念すること。
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「自分は幸せになってはいけないんだ」って思っちゃうような状態ですね。
あるいは「幸せになる」「楽しむ」「好きなことをする」という発想自体が思い浮かばない状態です。
僕は、文章を書くのが好きです。
はじめは断片的な想念であっても、それをまとめあげていく手続きが好きです。
そして、何度読み返しても自分を満たすことのできるものを作り上げることができたら、それはとても幸せなことだと思います。
本当にそう思っているんです。
……そのはずなんです。
でも、そういったことをやり遂げることができないがために、自分が本当にそう思っているのか、それすら疑問に思えてきます。
そして、一旦気持ちが揺らげば、あとは自動生成される言い訳の渦に巻き込まれて、どこまでも際限なく沈み込んでしますのです。
そういうわけでこんにちは、織倉未然です。
永遠に未然形のここから、浮上したいものですね。