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ブログをメモ帳と勘違いしている

日本史が面白い

通訳案内士になりたい。そのためには、語学だけでなく、日本史、日本地理、時事問題の知識も必要になる。通訳案内士になろうとしなくても、外国に住みたいなら、自分の国のことは知っておいた方が良い。いや、外国に住みたくなくても、これ結構面白いからオススメです。

日本史が好きになるまで

高校までは日本史をやっていた。しかしほとんど身につかなかった。これは僕が暗記が苦手だったということもある。年号の必然性がわからなかったし、漢字の語句が覚えられなかった。誰がいつどこで何をしてただろうが、それが今の生活になんの影響があるの? と思っていた。日本史の教科書に書かれている事柄は、戦争と税の話ばかりに思えて、血生臭い気がして、自分の生まれた国とその歴史がぱっとしないように感じられた。じゃあ逆に他の国の話ならどうかというと、これも同じだった。要するに、人類に絶望していたのだと思う。

しかし今は全然違う。面白くて仕方がない。絶望することに疲れたからかもしれない。確かな実感としては、高校時代の気持ちから、十分距離を取ることができたというのがある。過ぎ去ったことは過ぎ去ったこととして、評価を放棄することができるようになっている。

あるいは、当時感じていた「人類への絶望」は、社会の一部にならなければいけない、というプレッシャーへの過剰反応だったのかもしれない。日本史を学ばなければ受験に失敗する、日本人に生まれたからには日本史を学ばなければならない、そういう外側からの理由によって、窮屈な思いをしていたのだ。窒息気味だったから、そりゃ悲観的にもなるだろう。

じゃあ今はどうか。社会的存在としての自己、あるいはそれに向けての実存は、僕の方から発信するものじゃないか、と考えるようになってきている。これは、一度会社を精神的不調を理由に辞めたことが大きい。「こうしなきゃダメだよ」が元々ストンと落ちなかった人間ではあるんだけど、「ダメも何も元々そんなの無理じゃないか。ハードル高いなぁ」って寝転ぶことを覚えた。

これがどう効いてくるかというと、知的好奇心を主動力として動けるようになった。自分の欲しいものとか、理想(外国語で働くこと)だけがあって、そこに向かうために必要なものだけに集中できるようになった。自分の手の届く範囲から少しずつ、自分の好きな方向にやっていっていいって態度が、身についてきた気がする。「社会人として」とか「人間として」といった、ビッグブラザー式の上から目線な命令文には耳を塞ぐことにした。その合意、見えませんからね。

今、日本史が面白いのは知らないことがいっぱいだからだ。思っていたよりも日本の歴史は長くて、思っていたよりもこの列島は広くて、思っていたよりも色んな人間がいた。そりゃそうだよなぁ……すげぇなぁ……と感心することしばしば。僕の教材は主に本だけど、出版された年とか書いた人とかによって、同一人物に対する評価もまるっと変わったりもする。へへへ……なんだよそれぇ……ってヨダレでちゃいますよね。出ませんか? 僕は出ます。振れ幅あるとジューシーです。

オススメの日本史関連書籍

さて、ここからはオススメの書籍を紹介するコーナー。

  1. 『天災から日本史を読み直す』

 日本は地震の多い国だし、今までに馬鹿でかい地震もかなり起きてきてる。大きな地震が起きれば、被害も大きくなるわけで、それが元で世が乱れたりする。今までの日本史観は、政治的闘争とか重税への反発みたいな印象が強くて、自分の世界とは関係のないものって感じだったんだけど、この本のおかげで主観的に見ることができるようになった。

 事実、去年9月に起こった胆振東部地震では、停電と断水に見舞われた経験があり、僕はまだ被害が小さかったとはいえ被災には変わりなく、東日本大震災とか阪神淡路大震災もあったわけだ。そういう風に考えると、日本の歴史における地震ってファクターは見逃すに惜しいし、この自然現象は科学的な趣もあるだけに、信頼できそうな点もポイントが高い。

  1. 『名字と日本人』

先祖からのメッセージ 名字と日本人 (文春新書)

先祖からのメッセージ 名字と日本人 (文春新書)

名字の謎を解いていく本。よくよく考えてみると、名字があって下の名前があるってのは不思議なもので、名字の由来を考えることは自分のルーツを考えることにもなる。こういう本が楽しめるようになったのも、自分の変化として面白い。「○○家の者として」という考え方には、今までであれば、自己の外側にある構造に首を絞められるように感じていたが、今では「○○家というのをこれから作っていくとしたら、どのように生きていくか」というような、あくまで自己中心的に考えることができるようになっている。あくまでこれは夢想であり、実際には家なんて作る気はないけど。

ともかく、この名字というのは、日本史を補強する上でも結構楽しい要素になる。

この他にも、山川の詳説日本史とか、日本社会史とか英語の対訳が書いてあるやつとかを読んではいるけど、やっぱりこういうサイドの方が自分はワクワクする。