Les miZenables

ブログをメモ帳と勘違いしている

今日見た映画について(天気の子/モービウス/アンチャーテッド)

今日見た映画は以下の通り。

  1. 天気の子

    新海誠作品。『君の名は』からアップデートしていなかったので、この機会に。当時、Twitterで00年代セカイ系を彷彿とさせると語られていた気がするし、なんならPSソフトであったみたいな幻覚文書を見かけた覚えがある。ジュヴナイルもの、青春ものとしての完成度が高かった。終始楽しめた。やっぱ特殊な能力を持った女の子と出会って、その子と世界を天秤にかけた上で世界の方を捨てなきゃダメだよな。お気に入りは須賀圭介(現実主義者でニヒリズムもちょっと入ったやさぐれ系中年男性)と須賀夏美お姉さん。ていうか、全体的に姉萌えが強く出ていた。よく考えてみると、『君の名は』も三葉は姉属性強めだからな……戸籍的にもそうだし、潜在的にもそうだった。今作のヒロイン、天野陽菜は実際に姉だが「お姉さん」として振る舞うわけですが、そういうお姉ちゃんを装う子からしか得られない要素がある。雨、雫、液体の変態的作画に驚いた。アニメーションの語源をたぐると、命を吹き込むのanimateになるとはいえ、いくらなんでもやりすぎでしょ……最高だったな。あと前作との関わりで語るなら、伝統・風習・昔話の参照がうまい。これによって「今何が起こっているか?」をわかりやすく、かつ普遍性を巻き込んで描写することができる。細かい設定を語らずとも視聴者の多くが持っている知識や理解にあずけることができるので……。さすがだったな。絶対くりかえし見る。

    amzn.to
  2. モービウス

    自分と友の血液系疾患を治療するため、コウモリと人間のDNAを混ぜ合わせたものを投与して怪人になった主人公を描く。ソニースパイダーマンの時空の話らしい(ベノムと世界観が同じみたい)。コウモリの能力を身につけたことで、肉体が異常に強化される。基本的なスペックはもちろん、エコーロケーション(衝撃波への転用も可能)、そらをとぶなどなど。どんどん能力が発現していく様子が面白かった。X-MENナイトクローラーも確かそうだったと思うけど、移動の際にモヤみたいのを伴うエフェクトが好きすぎる。今回のは更にパーソナルカラーっぽい差し色が稲妻めいて見えるので、見栄えも良い。やっと手に入れたひとなみの生活(やりすぎ)、これまでの苦渋に対する反発といった要素もあって分かりやすい話ではあった。ただしあんまり救われない。属性としては、当然というべきか、闇なので、今後彼はどうやって生きていくんだろう。楽しめるのかな(例として思い浮かべるマグワイヤ版ピーター・パーカー(黒))……。

    https://amzn.to/3WrtM1q
  3. アンチャーテッド

    トム・ホランドが主演ということで見た。彼自身とても魅力的な俳優であることはスパイダーマン・シリーズで明らかになっているのだが、このフレッシュ色キュートな青年感を際立たせるには、大人の男性の存在が不可欠なのかもしれない。アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)しかり、『エジソンズ・ゲーム』でのベネディクト・カンバーバッチしかり(もっとも、カンバーバッチはドクター・ストレンジも演じている)。今回は、マーク・ウォールバーグ。まずこの時点でキャスティングは大成功だし、これだけでもう元取れたんじゃないかって感じ。内容としては、トレージャーハント系冒険物。作中でチラッと触れられるが、インディー・ジョーンズっぽさもある。歴史を参照しつつお宝を求めるという点では、他にもトム・ブラウンのラングドン・シリーズを思い出した。こういうのが好きなひとは多分好きだとと思う。結構派手なアクションもあるが、「でもスパイダーマンだしな……あ今は違うんだっけ」と思いながら見てしまった。ピーター・パーカーのときより体分厚くなってないか? 彼の今後が楽しみである。

    https://amzn.to/3I18Lqr

昨日は、『シン・ウルトラマン』も見た。人智を超えた存在(外星人)ともなれば、人間側の認識どおりに動いてくれるとは限らないんだなと再確認。この理不尽さというか理解不可能性みたいなものに、スタニスワフ・レムを思い出した。構成としては、たぶん週一でやっている話をなんこか繋いだって感じ。事案間の関連が離散的な印象を受けたが、外星人案件なので仕方ない。起きてしまったことに対して、どう取り組んでいくかというのが大事になってくるのだ。こう考えると、ゴジラがいかに良心的な存在だったがよく分かる。あれはに圧倒的な破壊をもたらしたし、人命も損なわれている以上たしかに理不尽ではあるんだけど、先日のゴジラが今日はキングギドラでした、みたいな感じの理不尽性はなかった。ゴジラは終始ゴジラなのだ。


ある作品がいまいちピンと来なかったりするとき、まずは心身の体調を疑うようにしている。大抵の作品には、面白さを発見できるはずだし、そのように鍛錬を積んできたはずなのだ。しかし、一日に三作品を続け様に見てみて思ったが、ひょっとすると感受性とやらにも体力があるのかもしれない。上のlistはただしくolなので、この順番に見た。あるいは、ひとつずつインターバルを設けて視聴すれば、また印象も変わっただろうか、とか考えたりする。

今回は未知の映画を見たわけだが、これはかなりエネルギーのいることで、しかも成果が確約されていないとくる。ネットの評判通りに、自分にも響くとは限らないので難しい。「ちょうどこれが欲しかったんだよね」という映画のときもあれば、「今はちょっと違うかな」というときもある。あくまで「今は」であり、後々見直すと「これ最高じゃん」と評価の天地返しが起こることもよく起こる。全然予期してなかったタイプの作品が、死角外から刺さりに刺さるという経験も珍しくない。どんどん見ていった方がいいんだと思う。

Abemaでぼさろがはじまったってことは、「今日の」じゃなくなったってこと。何もかも遅いっ